乙女戦争

題名のせいで手に取らなかったのを後悔した作品。

ボヘミアのフス戦争を描いたものです。信徒の平等を訴えるフス派と教会の権威を重んじるカトリックの十字軍との戦いで、フス派は農民や女性も兵士として戦いました。カトリックの十字軍と言えば、貴族だが家督が継げない次男坊の行き先だったり、貴族の名誉職だったりで、特権意識は高いものの風紀は乱れ、ろくに用意もしないで出撃するので通りすがりの街を襲って食料や金品を盗み、子女を陵辱することも多かったようです。

このようなことをカトリック同士で行っていることが、日本人にはだいぶ不思議です。

 

作者の方は史実をかなり詳しく調べているようで、作品中では表現のためこう描いたが、史実は違うとあとがきでしっかり書いてくれているのでとても勉強になります。

そしてなにより面白い。

グロい描写も多いですが、主人公の明るさが話を救っています。

世界史の勉強のためだけでなくても読みたい作品。

まだ連載中です。