ミニマリスト、シンプリスト

頭も部屋もごちゃごちゃして混乱していた頃

ミニマリストという言葉を知った。

 

物を極限まで減らす

カフェを書斎、スーパーを冷蔵庫と思うくらし

ガランとした部屋

これはなんだか違う気がする

 

続いて知ったのは、シンプリスト

シンプルな物を持つことで生活を整えるという考え

無印やApple製品が好きな人が多いイメージ

これもなんか違う

 

私は元々骨董が好きで、物へのこだわりが強い

好きなものに囲まれて暮らしたい

好きなものを大事にしたい

という気持ちが強くあった

 

忙しかったり、心に余裕がないと家に物が増える

自分の持ってる物の価値が分からず、足りない、足りないと買い続けてしまう。

それは、自分自身や人間関係についても一緒で、持ってる物の価値が分からず求め続けて不幸になっている気がした

自分自身の才能や美徳、努力もまだ足りないまだ足りないと思っていてはいつまでも満足できない

まず自分が何を持っているのか把握できるようになろう

そう思って物を減らすことにした。

ヴィンランドサガ

11世紀イングランドに侵攻したデーン人の話である。

イングランドは度重なるデーン人の侵入に苦しめられていた。そのためアルフレッド大王の子孫、エセルレッド2世は国内のデーン人を虐殺したが、デンマーク王スウェンの怒りを買い、戦争となった。

この際主な戦力は北の民ノルマンニと呼ばれる傭兵だった。彼らは北欧神話を信じ、戦いで死ねば戦士達の天国ヴァルハラにいけると死を恐れず戦った。

主人公はアイスランド出身、最強のヨムスヴァイキング呼ばれるトールズの息子、トルフィンである。父の仇であるアシェラッドを倒すために行動を共にするうち、デーン王子クヌートのイングランド侵攻に加わることになる。

アシェラッドは、かつてローマ帝国時代ブリタニアを治めたアルトリウスの子孫であり、いつか救世主アルトリウスが姿を変えてイングランドを治めると信じている。

ヴァイキングキリスト教徒を奴隷にしていた歴史やヴァイキングのメンタリティがよく分かって良い。

クヌート大王が親族殺しをして権力を強めるところなど、独自の解釈がある。

天井の愛、地上の恋

オーストリア最後の皇太子(正確にはサラエヴォで暗殺されたフランツフェルディナントの前に皇太子だったが自殺)の物語。

美貌の皇妃シシィの息子であり、皇妃の奔放さから終生自身の出自を疑っていた。またバイエルンの狂王ルートヴィヒ2世、その弟のオットー1世の美貌ではあるが狂気の血筋、ヴィッテルスバッハの血を受け継いだ。

と書くと面白く以外なりようが無いと思われるだろうが、残念なことに最後まで纏まりがなかった。

歴史の勉強には不向き。

 

乙女戦争

題名のせいで手に取らなかったのを後悔した作品。

ボヘミアのフス戦争を描いたものです。信徒の平等を訴えるフス派と教会の権威を重んじるカトリックの十字軍との戦いで、フス派は農民や女性も兵士として戦いました。カトリックの十字軍と言えば、貴族だが家督が継げない次男坊の行き先だったり、貴族の名誉職だったりで、特権意識は高いものの風紀は乱れ、ろくに用意もしないで出撃するので通りすがりの街を襲って食料や金品を盗み、子女を陵辱することも多かったようです。

このようなことをカトリック同士で行っていることが、日本人にはだいぶ不思議です。

 

作者の方は史実をかなり詳しく調べているようで、作品中では表現のためこう描いたが、史実は違うとあとがきでしっかり書いてくれているのでとても勉強になります。

そしてなにより面白い。

グロい描写も多いですが、主人公の明るさが話を救っています。

世界史の勉強のためだけでなくても読みたい作品。

まだ連載中です。

天の涯 ポーランド秘話

女帝エカテリーナの愛人がポーランドの国王に任命された。世襲制ではなかったからだ。ポーランド王には仏王、英王を兼ねたものもおり、ポーランドの豊かな土地は周囲から狙われ続けていた。

特に凍らない土地を狙うロシア、新興国プロイセン、革命後のフランスは新しい土地を渇望していた。

エカテリーナの愛を信じるポーランド王と、冷酷なほど実利的なエカテリーナの関係が面白い。

主人公はポーランド王の甥、後にポーランド独立運動の英雄であるユーゼフである。

ザクセン人の父、ロシア人の母、オーストリア人の義理の母を持ちながら、ポーランドを愛し、祖国のために戦った彼の一生を幼少期から、死の瞬間まで辿った物語だ。

民族のアイデンティティ、祖国とはなにか、日本人だとあまり直面しない問題である。

一度亡くなり蘇ったポーランドという土地に興味を覚えた。

一輝まんだら

手塚治虫の未完の作の一つ。

清国への義和団の反乱、日本では日露戦争が始まった時代を、清の女性の視点で描いています。

義和団は扶清滅洋のスローガンを抱えるが、欧米列強は清政府に義和団の弾圧を命じる。

この辺り、日本の幕末とそっくりだが、違うのは清国が義和団についたところ。徳川の素晴らしかったところは引き際を心得ていたところだなあとつくづく思いました。

この話はほぼイントロで終わっている印象で、1番描きたかったであろう北一輝がチョコっと出ただけで終わってしまっています。

続きを書かせて欲しい。というあとがきを見て切なくなります。

無駄に過ごすことのある私の人生を、手塚先生に1部譲って描いてもらいたかったと強く思うのです。

浅葱色の風 里中満智子

新撰組沖田総司の物語。

田舎の道場から、近藤のことがただ好きだからという理由で京都までついて行った沖田。時代に翻弄され、厳しくなっていく新撰組の規律を守るため、道場時代の先輩や後輩を制裁することに疑問を覚えてくる。次第に健康を蝕まれ、独白する。

僕の目標ってなんだろう。剣が強くなりたかった、姉さんに心配をかけたくなかった、おまつちゃんをしあわせにしたかった。

いまは、いまは健康になりたい。

 

医院で出会った女性との儚い恋、

わたしの命、全部あげるから長生きしてね

と言い息をひきとった。

そんな中同い年の元隊員に制裁を加えなければならないことが分かった時の独白が素晴らしい。

 

だれのために生きてるのかと問われれば、愛する人のために、と答えたい

なんのために生きてるのかと問われれば、信じる道のために、と答えたい

作者が自身の健康を害し、死を意識した時に病院の外へ出て抜けるような青空を見た時に、総司を身近に感じて書き上げたものだという

生きとし生けるものへの愛おしさが満ち溢れた作品だ